3 September 2015

Designit Labで行われたWired Creative Hack Award オープンセミナー

8月27日、WIRED が主催するCREATIVE HACK AWARDのオープンセミナーがDesignit Tokyo LABにて開催されました。1時間半に及ぶレクチャーでは、ビジネスとクリエイティビティの相互関係、そしてアイデアを伝えるメソッドとしてストーリーテリングについて語られました。

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ビジネス界では、成功をたぐり寄せる原動力として、クリエイティビティへの注目が集まっています。昨年行われた調査では、クリエイティビティを推進している企業の方が、収益やマーケットシェアにおいて、競合他社よりも優れているという結果が出ています。クリエイターは、イノベーションを生み出し、ビジネスを動かす大きな価値を作り出す人材として認知されています。

同時に、クリエイターには、ビジネスにおける条件を満たすことも求められます。アーティストは、アートビジネスにおいて自身の作品の価値を作り上げます。しかし、クリエイターの場合は、アイデアが実行に移されない、または、人にうまく伝えられないのであれば、そこに価値を生み出すことはできません。投資家にアイデアを売り込む、スポンサーを見つける、他人をプロジェクトに巻き込む、自身のスキルから仕事を得るなど、クリエイターにとって、自身の活動の価値を伝える行為は、本質に関わるものなのです。

ビジネスの担当者とクリエイターは、お互いを必要としているのにもかかわらず、お互いを理解し合うことができません。そこには両者を繋ぐ共通言語が必要とされます。それがストーリーです。

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ストーリーを語ることによって、私たち人類は、直接的な因果関係を超えて行動し、コミュニティーを作り上げ、知識を共有してきました。その結果として、人類は他の動物よりも優位に立つことができたのです。言い換えれば、想像力と信じる力が人間を特別な存在に進化させたのです。科学的な事実として、私たちは語られるストーリーに共感することによって、人々を信頼していきます。そして、広告が例に挙げられるように、説明、そして説得を行う上で、現代でもストーリーは有効な手段として存在しています。

クリエイターが自身の作品を見せるプラットフォームが多く存在していますが、多くの場合、作品を共有する行為が、実際のビジネスを動かすことはありません。

ストーリーテリングのテクニックを学ぶことによって、クリエイターが再評価され、アイデアが実行されるチャンスが何倍にも膨らみます。

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セミナーでは、Designit のDesign DirectorであるEduardo Moratinosが、ストーリーテリングを実行する上でのヒントを語りました。その中からいくつか紹介します。

ターゲットを設定する

話す相手は誰で、何を必要としていて、何を重視しているのか。伝えるターゲットによって、ストーリーを調整する必要があります。

メッセージを明確にする

当たり前のように聞こえますが、自分が伝えたいことを明確にすることはとても大切です。

確かなストーリー構成

欧米とアジアのストーリー構成には、わずかな違いはありますが、基本的には、どちらも「状況説明・展開・クライマックス・縮小・まとめ」というステップを踏襲しています。メッセージを確実に伝えるために明確なストーリー構成が求められます。

問題を提起する/意外な展開を追加する

自身のアイデアが、どのように提起された問題を解決するのか、従来の常識を打ち破るのかを伝えます。また、問題を提起せずとも、意外な展開によって人々を引きつけることも有効な手段です。

感情を揺さぶる

合理的に事実を説明することが、必ずしも人を説得する最良の方法とは限りません。ストーリーは、情報をただ単に伝えるだけではなく、受け手の感情を揺さぶることで、強い印象を残します。ストーリーにおける感情の部分を軽視してはいけません。

自分らしくあれ

ストーリーテリングは素晴らしいツールです。しかし、自身の心から語るストーリーは、何物にも勝ります。観客は、嘘や受け売りを敏感に感じ取り、本物のストーリーに感服します。

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CREATIVE HACK AWARDの一環として、このようなセミナーを開催できたことを光栄に思い、心より、WIRED JAPANの皆様に感謝申し上げます。今後もこのようなセッションを行っていきたいと考えております。みなさまのご参加をお待ちしております。

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