4 September 2017

コラボレーションをデザインする

イノベーションを興すためには、様々なデザイナーやステークホルダー、そして異なる部署や会社間でのコラボレーションが必要不可欠ですが、乗り越えなければならない課題が多いのも確かです。デザインの過程における意見の相違やエゴ、そして個人的好みや優先度の違いなどが、意欲に満ちた提案を政略的な騒動にまで発展させてしまうことだってあります。しかしながら、変革を促すようなアイデアを生み出す場に多くのステークホルダーを招き入れることで、より良い方向への変化が可能となるのです。
Designit はダイヤモンド・マネジメント・ネットワークの依頼を受け、コラボレーションをテーマにトレーニングプログラムを開催することとなりました。参加者がインスピレーションを得て、そしてコラボレーションを行う際の自信につながるようなプログラムを目標としました。

現代の複雑なビジネスの世界において素早く成果をあげるには、早い段階から頻繁にステークホルダーが集まる場を設けることが必要です。しかし、ただ人を集めれば良いというわけでもありません。コラボレーションをうまく進めるには、適切なマインドセットを持ち、どのような状況にあるのかを把握した上で、それに応じて練習をすることが重要です。

今回の二日間に渡るワークショップは、毎日のビジネスで役に立つメソッドやツールについて参加者に知ってもらうことを目的として行われました。

共同で作業を行う上でまず最初に必要なのは、そのコラボレーションがいつ、どのように行われるものなのかということを把握することです。

Designit チームが紹介したのは、コラボレーションがおこる 3つのシナリオです。「Divergence (発散)」新しいアイデアの検討、「Convergence (収束)」アイデアの選択、「Improvement (向上)」アイデアの改善
これらそれぞれのシナリオでは、異なるダイナミクスやマインドセットが必要とされます。

「Divergence (発散)」では、アイデアをクリエイティブに出せるよう、まずなにか材料を用意して、思考を刺激することが有効となります。参加者をインスパイアして弾みとなるきっかけを設定し、そこからコラボレーションを始めることで、何も無いところからスタートするよりも多くのアイデアを集めることができます。

「Convergence (収束)」では、アイデアを評価するためのフレームワークをあらかじめ設定しておくことで、議論に客観性を持たせることができます。Designit が薦める方法のひとつは、評価する際に必要となるポイントを参加者全員でまとめることです。客観的な基準を全員で設けることで、議論が個人の好みに終始するような事態を避けることができます。

そしてコラボレーションの真価は、異なる視点や意見を出し合うことにあるということを忘れてはならないでしょう。したがってアイデアの「Improve (向上)」時には、できるだけ多くの異なる角度からアイデアを検討することが求められます。参加者全員がそれぞれの視点から、そのアイデアがどうあるべきか意見することで、チームとしての意識を高めることができるようになるのです。

コラボレーションを取り入れるには

コラボレートする文化がない組織で働く人々にとって、自らすすんでコラボレーションを導入することは難しいと考えられているかもしれません。コラボレーションを奨励するのはたいてい大企業で、組織の上層部から方向性を示されることが必要だと思われているからでしょうか。

活発にコラボレーションに取り組む姿勢が上から打ち出され、それをサポートする組織的なインフラが整えられているのが好ましいことに間違いはないものの、現実にはそういかないことはご存知の通りです。しかしながらチームや部署の内部で、小さなことからコラボレーションの芽を生むことは可能です。例えば、定期的なミーティングをよりオープンで参加しやすいものにしたり、個々の業務に対してチームの意見を募ったり、カジュアルな意見交換会を開いたり、プロジェクトごとに「Divergence (発散)」セッションを行うなど。これらのどれかひとつを行うだけでも、コラボレーションをより身近なものとして感じることができるはずです。

今回のワークショップで Designit が紹介したコラボレーションのツールは、どんな組織でも利用できるよう、柔軟性と順応性を考慮してデザインされています。コラボレーションの進め方を方法論として定義することも可能ではあるものの、柔軟性を欠いては様々な組織の形態に応用することはできません。ハードウェア会社の技術開発部門で採用された方法が、航空会社のマーケティングでは有効であるとは限らず、またその逆も起こりうる、というように。

二部に分けて行われたトレーニングセッションで、参加者には与えられたツールを自分なりに利用して、それぞれの仕事環境の中で活用するよう課題が与えられました 。多くのことに対して言えることですが、メソッドの習得においても、やはり実践が一番の近道なのです。

ファシリテーション

コラボレーションを円滑に進める上で欠かすことができないのがファシリテーションです。このスキルを習得することにより、グループのダイナミクスをうまくまとめ目標達成へと導くことができます。適切なファシリテーションによって良い対話や 効率的な意思決定が導かれ、全てのステークホルダーが納得のいくコラボレーションを行うことができるのです。

コラボレーションをうまく進める上での最初のステップは、グループ内で方向性における権限を持つファシリテーターを決めることです。その役目は内容に関することではなく、コラボレーションのプロセスをまとめ、課題を決定し、そのためにやるべきことを決めていくことにあります 。コラボレーションの中で、参加者がルールに従っているか、目を光らせることも重要なことの一つです。

セッション後半では、ファシリテーションにおけるコツや秘訣に焦点を当てました。参加者は効果的なファシリテーションの核心となる考え方を学び、すぐにそれを実践できるように Facilitator Play Kit を使って練習が行われました。

練習してファシリテーションの技術を向上させる Facilitator Play Kit は、ココからダウンロードできます。

詳細でインタラクティブなセッションを通し、参加者は実践を交えながら実用的なスキルを学ぶことができました。また同時に日本企業がコラボレーションを取り入れる際に直面する課題に対して、我々Designit チームの理解力も高めることができました。

最後に、参加者が真摯な関心を持ってその創造性を発揮してくれたこと、そしてこのトレーニングプログラム開催の機会を与えてくれたDMN (Diamond Management Network) に感謝したいと思います。

今回のトレーニングプログラムは、デザインの重要性を日本の企業でも浸透させることを目的として DMN – Diamond Management Network によって企画された。今後のトレーニングやレクチャーの情報はこちらから。

 

Related Stories

Future Vision
30 April 2016

WIRED Japanと共に、東京での朝の通勤体験を改善する

Process
9 July 2015

戦略的デザインプロセスの紹介

Service Design
8 October 2015

Service Design Networkカンファレンス台湾2015にてDesignitがワークショ ...