20 January 2017

日本でヒトのカタチをした社会を創るために、2020年の東京オリンピックが持っているポテンシャルはどのようなものだろうか?

去る1月17日、日本のマギル大学同窓会が年に一度のフォーラム&新年会を開催し、 卒業生、MBA学生、教授、そして大学関係と、150名を超える参加がありました。パネルディスカッションでは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会国際局マネージャーのTristan Lavier氏、東京オリンピックでコカ・コーラの日本マーケティングを担当するコカ・コーラのグループマネージャー渡邉和史氏、そして、弊社Designit Tokyoの代表取締役Phillip Rubel(フィリップ・ルーベル)がパネリストとして登壇しました。司会は、Impact International Japanのコンサルタントでファシリテーターの Christopher Rizanow氏(2018年期マギル大学MBAコース在学中)が務めました。

ディスカッションでは、オリンピックが東京と日本に与えるビジネス・社会面のインパクトについての議論が盛り上がりました。Lavier氏は、リオ五輪から私たちが学ぶべき重要なことを指摘するとともに、施設建設の予算600億円が東京と日本にもたらすメリットを説明しました。渡邉氏は、主要スポンサーがオリンピックに与えるインパクトと、 スポンサーが一流ブランドとして認知されるためにオリンピックが果たす役割の重要性について解説しました。弊社のフィリップは、オリンピックが都市、国そして文化に残すレガシーについて述べました。

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東京2020のもたらす社会的・ビジネス的レガシーのインパクトについて、フィリップは次のように考えています。

問題は政府予算だけではない

政府の施設建設予算は600億円ですが、プライベートセクターも含めた全てのインフラ・施設建設費用は合計10兆円が見込まれています。

オリンピックは触媒であって、目的地ではない

オリンピックは、最終目的として掲げられるのではなく、ビジネスと文化の観点から見て、「長い道のりの中の重要な一歩」と位置づけられるべきです。実際に、成功したオリンピック開催都市では、海外からの観光客数は開催前にピークを迎え、開催期間中はやや少なくなり、そして閉幕後に再び増加する傾向があります。

東京を超えて経済的・文化的な恩恵の波が広がっていくべきである

観光客が、開催都市だけでなくその周辺地域にも気軽に遊びに行けるように、アクセスを整備しておくことは重要です。そうすることで、滞在期間は伸びますし、ホスト国内のより広範囲でお金が使われることになります。また、観光産業を活性化するために、閉幕後のフォローアップは欠かせません。この戦略の良い例は、シドニー五輪とロンドン五輪です。オーストラリアはそれほどでもありませんでしたが、イギリスは、閉幕後3年間で、180,000にも及ぶ文化的なイベントを実施しています。

知るには2つの方向がある:外から中へ&中から外へ

オリンピックは、世界が開催都市と国をより良く知るチャンスであり、同時に開催都市・国が世界中の人々をあたたかく迎え入れるチャンスでもあります。BOJのリサーチによると、オリンピックの開催により、輸出が継続的に伸び、貿易政策の自由化が全体的に進んでGDPが増加するだけでなく、閉幕後もそのGDPが維持されることが分かっています 。なおかつ、国の威信が高まり、日本人の若者の間で、日本の国境を超えて世界に対する関心が高まることを期待できます。

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